飛蚊症

飛蚊症とは黒いゴミ・蚊のようなものが見える状態です。
形状は糸状だったり、小さな粒や丸い輪、また、半透明の場合もあります。
とくに明るい場所ではっきりと見え、「邪魔だな」と思って視線を変えても、浮遊物は一緒に移動してきます。
目をこすっても変化がなく、一向に消えてくれません。
95%は、加齢や近眼からくるものです。しかし、網膜はく離・眼底出血のような重大な病気の場合もあります。急に黒いものが見えた場合眼底検査をお勧めします。

眼底検査は、ひとみ(瞳孔)を大きくして検査を行うために目薬を使います。
この目薬が効くのに30~40分かかります。その後の検査は10分ぐらいで終わります。
ひとみを大きくする薬は、目薬をさして4~5時間効果があります。
検査後、自動車・バイクの運転はできません。車・バイクでの来院はご遠慮ください。また、近くの細かい字は読みにくくなります。ご注意ください。

飛蚊症の原因

目は外から入った光を網膜に写して映像を結びます。
しかし、この時有害な紫外線を同時に浴びることになり、網膜を通して紫外線が目に入ると、硝子体中に「活性酸素」が発生し、その結果たんぱく質や脂質が酸化されてしまいます。
やがて硝子体の組織を変質させ、飛蚊症が生じるのです。
若い時や体の免疫機能が正常であれば、目に発生した「活性酸素」をすぐに分解する「酵素」が分泌されるので、硝子体の組織の酸化を抑え、飛蚊症を防いでくれます。
しかし年をとるごとに、この「酵素」の分泌が減少するため、組織の酸化を抑えきれず、その結果 飛蚊症となります。
最近では、生活環境の変化で若い方でも「酵素」の分泌が減少し、飛蚊症になる方が急増しています。
これらは「生理的飛蚊症」と呼ばれ、飛蚊症の中で最も多い原因となっています。

飛蚊症で大事なのは、その原因が生理的なものか、病気によるものかをはっきりさせることです。
生理的な原因による飛蚊症の場合は、特に治療の必要はありませんが、網膜剥離などの病気が原因の場合は、早急に治療が必要となります。
次のような症状がみられるようでしたら、眼底検査をお勧めします。

  • 黒い点の量や範囲が急に増えた
  • 暗い場所で突然稲妻のような光が見える
  • 急に視力が低下した
  • 視野の一部分が欠けている